ゆるキャラ
そしてお披露目の日。
「それでは、新しく我が町の、シンボルキャラとなりました、ゴボちゃんに登場して頂きましょう‼」
地元のブッサイクな女子アナが、甲高い声で叫ぶ。
やばい。
緊張してきた。
果たして、この企画は成功するのか?
発案は石田先生だが、準備から計画、実行までを任された。それは、私という人格を信用して下さったのだ。その思いを、裏切るわけにはいかない‼
「みんなで呼ぼうねー‼」
いやいや、ゴボちゃん出にくいだろう。
「せーの‼」
ムダにハードル上げるなよ。
「ゴボちゃーん‼」
4.5人が呼ぶ、バラっバラな声に、ゴボちゃんはステージに飛び出した。
いや。
私は、ステージに飛び出した。
いや。
パッツンパツの茶色い全身タイツを来た、伊達美沙こと、ゴボちゃんは、ステージに飛び出した。
いや。
ステージじゃない。
わぁー。
地獄って、ホントにあるんだ…。