(仮)双子の闇
~登校中~
「千夜」
「なに?」
「一人称…」
「大丈夫、分かってるから」
「あと、口調」
「それも大丈夫」
「ならいい」
少しだけ微笑む蓮。
かっこいいな…。
「あ、竜尾高校…」
蓮の方を向いていたあたしは前に向き直る。
「……門閉まってねぇか?」
「どうする?」
門の高さは5mくらい。
余裕…。
「誰もいない?」
「多分」
「じゃあ飛ぶ」
「分かった」
ピョン!
あたしと蓮は助走なしで、門を飛び越えた。
そして、何事も無かったように喋りながら理事長室に向かった。