(仮)双子の闇


「あれから何分?」


「10分くらい……?」


「疲れ…あ?」


「何?」


「あそこ、理事長室」


あたしは蓮が指さした方を見た。


そして、顔をすこしだけ綻(ほころ)ばせた。


「流石蓮だ」


理事長室のプレートは100メートル先くらいにある。


「千夜も見えてる」


「そうだけど、先に見つけただろ?」


「一緒」


「そうだな」



あたしたちは、視力が異常に優れている。
もちろん、動体視力も。






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