(仮)双子の闇
あたしたちは響たちがいた“紫音”以外の暴走族が嫌いだ。
“暴走族”
あたしと蓮のかけがえのない人を奪った場所。
そして、とても大切な人を奪った場所に誘われること。
それはあたしたちにとって最悪なことでしかない。
あたしは俯いて、両手をギュッと固く握ってる蓮の手に自分の手を重ねた。
だが、その手は振り払われてしまった。
「大丈夫」
蓮は目を凝らさないと分からないほど微かに震えていた。
「蓮…「ねぇねぇ蓮くん、どーしたの?」」
水沢はいつの間にかあたしたちの直ぐ近くにいた。
「なんでもねぇ。 悪いが、少し離れていてくれねぇか?」
あたしはできるだけ、蓮からこいつらを離したかった。
「なんで~?」
そんな思いが水沢にわかるはずもなく、水沢は近寄ってくる。