(仮)双子の闇
響は知ってるけど、あたしは蓮が響に甘えてるのを見たことがない。
だから、蓮が響を本当に信じてるかは別問題だね。
「良かった、じゃあ帰ろうか。 目、冷やさなくちゃいけないし」
「うん」
「響に連絡いれるか」
ピ、ピ、プルルルル、プルルルル…カチャ
『ほーい』
「もう大丈夫だ」
『OK、じゃ戻るわ。 お前らこれからどーすんの?』
「帰る。 だからあたしたちの部屋と鍵くれ」
『はいよ、すぐ戻るから待ってて~』
プチ
「響、すぐ来るってさ」
「分かった! 千夜、部屋別々かな?」
少し不安そうな顔をする、蓮。
「もし違っても一緒にしてもらうから大丈夫だ」
あたしは少しだけ微笑みながら蓮の頭を撫でた。
「やった!」
本当に可愛い。
蓮だけは絶対に光へ、返さなくちゃ。
もう、闇に囚われるのはあたしだけで充分だ。