(仮)双子の闇
父さんは読んでいた新聞をテーブルの上において、「おはよう」と言って微笑んだ。
「俺たちに用って何…?」
「あぁ、ここに座って!!真剣な話なの!」
そう言われたけど、顔はニコニコ。
説得力にかける…。
そう思いながら、あたし達はソファーに座る。
………
「……母さん。 いつも思うけど、この部屋と母さんの格好、合ってないよね」
今、母さんはジャージ。
このいかにもお嬢様が住んでいそうな部屋には合っていない。
「そんなこと言われたってドレスとか堅苦しくて着たくないもの!」
「まあ、別にいいけど」
「千里ーチサトー、千夜。 話を進めてもいいかい?」
「あ、うん。 ごめんなさい」
あたしは話を聞くために、姿勢を正した。