(仮)双子の闇


父さんは読んでいた新聞をテーブルの上において、「おはよう」と言って微笑んだ。


「俺たちに用って何…?」


「あぁ、ここに座って!!真剣な話なの!」


そう言われたけど、顔はニコニコ。


説得力にかける…。


そう思いながら、あたし達はソファーに座る。


………


「……母さん。 いつも思うけど、この部屋と母さんの格好、合ってないよね」


今、母さんはジャージ。
このいかにもお嬢様が住んでいそうな部屋には合っていない。


「そんなこと言われたってドレスとか堅苦しくて着たくないもの!」


「まあ、別にいいけど」


「千里ーチサトー、千夜。 話を進めてもいいかい?」


「あ、うん。 ごめんなさい」


あたしは話を聞くために、姿勢を正した。




< 7 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop