恋愛部☆番長組


 
 きょとんとしている西原先生。
 すると、にっと口角をあげる。


「なんだ。夜、怖いのか?」


「い、いや怖くなんかないですよ?」


 嘘。
 実は怖い。


「それならさっさと帰れぇ。俺もそろそろ
 上がりの時間だしな」


 くるっと正反対を向いて歩き出そうと
 する先生の服を掴んだ。


「ハァ。今度はなんだ?」


「....腰、抜けて足が立てない」


「甘えてないで自分で歩け。ほら、手を
 貸してやるから」


 やっぱ意地悪。
 立花君にやっぱり似てるかも。


 私に向けて差し出す手を手にとって
 自分で立とうとするけど、やっぱり
 体は言うこときかない。



「無理、全然立てない」



 はあっ、とため息つかれちゃった。
 私だって自分で立とうと頑張ってる
 んだからね!?



「...仕方ないな。ほら、後ろ乗れ」


 えっ!?背中向けてるってことは
 乗れってこと!!?


「む、無理ですっ!!死んでも無理っ!!
 やっぱ自分で頑張ります!!」


 地べたに手をついて自分で立とうと
 するけど、なかなか足に力が入らない。


 はあ...こんなことになるなら
 天野君に一緒にきてもらえば
 よかった...とほほ...。


「いいから。さっさと乗れよ」

< 282 / 352 >

この作品をシェア

pagetop