恋愛部☆番長組

あの頃の君は




~天野side~



「あっ...」


 背中が千春の声に反応して一度足を
 止めた。


「....なんでもない」


 なんでもない?
 なんだそれ。


  
 過去は過去だけど今は今だろ。
 なんでまだ引きずってるんだよ...。


 引きとめられた足を再び動き出す。
 だけどずっと頭の中で考えてるのは
 千春のこと。


 前の俺は千春のこと考えるだけで
 ドキドキした

 苦しくなった。





 でも、

 今は違う。


 俺はもう二度とあんな思いはしたく
 ないんだ。


 
 今更―――


 俺の前に千春が現れたとしても。


 もう



 あんな思いをするのだけは


 

 嫌なんだ。



「コンビニ、寄ろうかな」


 近くに止めていた車を動かす。 
 ....ブロロロッ―――。
 
 
< 287 / 352 >

この作品をシェア

pagetop