恋愛部☆番長組
握り締めたハンドル。
車の中に乗っていても、運転していて
も、道路を走っていても...
なぜか気になってしまう千春の顔。
「...くそっ」
もうきっぱり忘れたはずなのに
西原が余計なことをするから
どうしても、昔の想いが込み上げて
きてしまう。
運転に集中できない。
信号は青だというのにぼーっとしてて
後ろからはうるさく鳴っている。
なんなんだ。
なんなんだよお前は。
好きな奴ができたと思って諦めた。
だけど今度は俺の前に現れて
また
俺を苦しめるのか?
「なんなんだよ...」
また心臓が締め付けられる。
あの、8年前のように。
『ゆうちゃん遊ぼうっ!!』
『ハハッ。わかったわかった。だから
そんなに腕引っ張らないで』
これは昔の俺の記憶。
昔の――――...過去。