恋愛部☆番長組
ずるいよ
~千春side~
“ちーちゃん、ちーちゃんは可愛いね”
あなたは一体誰なの??
なんで私の夢の中にでてくるの??
手を伸ばそうとしてもそれはすっと
消えて私一人、暗闇に取り残される。
「あなたは誰?」
“...君の知ってる人だよ”
そんなこと言われても
さっぱりわからない。
知ってる人?
私の近くにいるの??
「待って、まだ―――...」
遠くで笑っている男の子がいる。
だけど、私の手に届かない。
届く前に、私は目が覚めた。
「...またあの夢...」
むくりと起きる。
いつもより早く目覚めてしまった。
朝5時32分。
まだ誰も起きてない時間に
あくびして体を起こす。
「...トイレいこ」
洗面所に向かって、トイレ。
顔を洗い、タオルで優しく拭くと
鏡の中の自分をみつめ
あの夢、最近よくみるなぁ...。