恋愛部☆番長組



 ドクンドクンッ―――。
 心臓の音は早くなるばかり。


「あ、天野君って前、ここの町に....
 住んでた??」


「...なんで?」



 ど、どうしよう。
 まともに天野君の顔、見れないっ。



「う、うる覚えなんだけど。なんか、昔
 夢で天野君と似たような名前の人が
 いたような気がして...」


 あれ?何も言ってこない??
 どうしたんだろ天野く――――...


 見上げると、真っ赤な顔した天野君が
 じっとこっちを見ていた。



 心臓、止まりそう。



「あー、それ以上男を惑わせちゃダメ
 だよ~?今の千春ちゃん、隙があり
 すぎて俺以外の他の男を相手に
 してたらすぐにやられちゃう」



 なんか、期待してる私が 
 馬鹿みたいじゃん。



「そっ、そうですよね。なんか人違い
 しちゃってすいませんっ」


 アハハッと笑うと、
 また切なそうな顔。

 
 どうして、そんな切なそうな顔をする
 んだろう。

 私の気のせい?

 気のせいならいいんだけど...


「そうだよ。人違いだ」



 なら
 どうしてそんな悲しい顔をするの??

 何がそんな顔をさせてるの??


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