恋愛部☆番長組




 大好きだったゆーちゃん。
 いつも、私に甘いゆーちゃん。

 どこにだって連れて行ってくれた
 優しいゆうちゃん。

 
 あの頃は全部、全部が好きだった。
 
 でも、今は私、彼のこと知らない。
 何処にいるのかも知らない。


 もう、何年前の話で
 今となってはそんなこと忘れてた。


 そんだけの恋だったのかな?
 忘れるくらいの“好き”だったのかな?



 そんなの


 やだな――――.......。




「私も帰って学校に行かなきゃ...」


 まだ天野君の背中にドキドキしてる。
 天野君とゆーちゃんは違うのに。



「...はぁ。気が重い」



 まだ時間あるし、他の場所に行って
 みようかな。



 家とは間逆の方向に足を動かす。
 まだ、夜明け前。



 薄暗い暗闇の中で





 一人





 
 道路の真ん中を歩いた。








< 307 / 352 >

この作品をシェア

pagetop