恋愛部☆番長組
今さっきから無言の彼。
てくてく歩いていく彼の後ろ姿は
やっぱり似てる。
...ゆうちゃん...。
「?なんで後ろを歩くの?隣、歩きなよ」
「う、うんっ」
タタッと走って天野君の隣に並んで
歩く。
なんだかそれはとてもくすぐったくて
恥ずかしくて
それだけでドキドキした。
あ、私の天野君の影、全然伸び方が
違うんだなぁ...。
「千春ちゃん」
「は、はいっ!」
「悪いんだけど、今度の日曜に遊園地に
行くって言ってたんだけど...あれ、
なかったことにして?」
え...?
底に落とされた気分だった。
今までに笑ってた自分の顔も急激に
しぼんでいくのがわかる。
「俺、その日別の用事が入っちゃって。
ほんとに、ごめん」
天野君が足を止めて私は、少しして
から夕日と重なった天野君を見る。
そっか...じゃぁしょうがないよね。
「うん、わかった!私のことは気にしな
くていいから用事、頑張って?」