恋愛部☆番長組



 フンッと勝ち誇ったような顔で片手に
 缶ビールを持ち、ぐびぐび飲みだす。


 え、ええええ!?
 だ、だってだって!!


 周りの人達も呆気。
 そりゃそうだよね。
 
 仮の彼氏とはいえ彼氏が一緒に合コン
 にきてるんだから。



 一人の男性が傑作だ、と笑い出す始末。


「千春ちゃん彼氏いるのにこんなとこ
 きちゃだめじゃん~♪」



「彼氏じゃない。俺は梓に呼ばれただけ」




 天野君は仮の彼氏なのに。
 
 どうしてなの??

 どうして、梓なの?


 
「え~、彼氏さんもしかして三角関係?
 それまじやばくね?」



 チャラい男が笑うと、天野は何かを
 ぐっと堪えた様子で

 すくっとイスを立った。



「あっ天野君っ」



 私が呼び止めても天野君は1度も私に
 振り向かずに歩いていった。



「...千春...」


 梓...。
 なんて顔してるの?



「ごめん、私のせいだ...」


「どういうこと?」



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