恋愛部☆番長組



 遠くから聞こえる車の音。
 人が傘を持って歩く。
 雨が傘を弾いて、まるで
 演奏してるみたい。


 
「馬鹿みたい...」



 あれ?雨がやんだ?



 ふと上を見上げると誰かの傘に入って
 いた。

 
「大丈夫ですか?」


「あ、はいありがとうございま――――」



 こんなドラマチックなことってある?
 振り向いたら、そこには


 西原先生がいた、なんて。



「に、西原先生っ!?」


「あやっぱり千春か。こんなところで傘
 も持たないで...なにしてるんだ」



 西原先生こそ――――。
 いや、そんなことより。



「今日は、普段着なんですね」


「ああ。それよりお前、これからどこか
 行ってる途中?」


 
 どうしよう。
 なんていえばいいのかな...。
 あ、そう言えば私っ。



 告白されてたんだった~~~っっ!!
 忘れてたほうがよかったかも...。



「あ、えと。家に帰る途中なんで......
 じゃ」


「おいちょっとまて」


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