恋愛部☆番長組



 先生の大きな傘に私はすっぽりと
 入って

  
 まるで二人だけの空間にいるみたい。
 そう思えるほど静かで


 傘に雨の弾く音と、先生の靴音。
 それに後から私の靴音。


 なんだか、それがとても
 ドキドキさせた。



「千春は高校卒業したらどこに行きたい
 んだ??」


「先生...いきなり生徒指導ですか?」


「ハハッ。違うよ」


 
 変わってない笑い方。
 先生は子供っぽく笑う。

 見た目はすごく大人なのに。



「これから千春はどこにいくんだろうって
 思ってさ」



「これから、ですか」



 考えたことなかったな。
 私、将来なにがしたいんだろ。



「...まだ、わかりません。だけどいつか
 自分が人の役にたつことがしたいです」


「そうか...ならお嫁さんとかはどうだ?」



 ぶっ!!
 お、およっ、お嫁さんっっ?!!



 変な呼吸の仕方をして、ごほっごほっ
 と咳こもる。



「大丈夫か!?」



「あ、はい...」


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