お前のすべてを愛してやる【完】
「なに、そんなに見つめて」



「え…?」



衣月くんだって見てたくせにっ。



「キス、したくなったとか?」



「そっ、んなこと…!!」



「ない?」



あー、もう!!



どうして衣月くんは、いつもイジワルなのっ。



「…ある」



亜矢乃が俯くと鼻で笑い、顎を持ち上げられた。



「素直だな。濃厚なのしてやるよ」



「のう…っ!?」



亜矢乃は目を大きくさせた。



「なーんてな、冗談だよ」



そう言って、チュッとリップ音を立てキスをした。



「とめられなくなんだろ?」



「ん、なにを…?」



「あー、そうだった。亜矢乃はまず、言葉の勉強しなきゃな…」



「……ん?」



「亜矢乃。わざと…、なわけねぇよな。ほら、下行くぞ」



「…ん?うんっ」



二人はみんながいる一階へと降りた。
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