お前のすべてを愛してやる【完】
「大倉くん、変な子でしょ。嫌いになった?」



キッチンから手を拭きながら、美和が来て言った。



「いや、嫌いにはなってないですけど」



「そう?良かった。色々と大変だと思うけど、頑張ってね?」



美和が微笑んだ。



「そうですね、大変そうです。色々と…」



衣月は苦笑した。



「ねぇ、何の話してるのー?」



亜矢乃が走って輪の中に入った。



「ん?亜矢乃の話だよ」



「え?わたし…?」



衣月の言葉に亜矢乃は首を傾げた。
< 314 / 348 >

この作品をシェア

pagetop