お前のすべてを愛してやる【完】
“沙智子ちゃんに…クラス全員に無視されてるの”



なんて、絶対に言えない。



机に“死ね”って書かれてることも、フォークダンスで手を繋ぎたくないからって男子に手繋ぐマネだけされてることも、席が隣の男子に机を離されてることも…絶対に言えなかった。



言ったって、解決されるわけじゃない。



結局は自分が乗り越えなくちゃいけない。



だけど、だけど…。



「ツライ…」



いつも亜矢乃は家に帰ると一人、部屋で泣いていた。
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