呪島~ノロイジマ~
「そんなこと言ったら、由梨だってでしょ!」


早紀は照れ隠しに声を荒げた。



「うんにゃ違うよ。私たちは二年の夏休みだから、ヒトミンが転校した時は、私はバージンじゃなかったもん。ねぇ、健介」



「ちょっ、オマエ、そんなこと一々バラしてんじゃねーよ」


今度は健介が赤くなる。



「いいなぁ……私なんて未だに……」


美絵がボヤキながら山崎敦也の顔を見て、目が合った途端に真っ赤になった。



「へぇ、金森さんって、まだ処女なんだ」

「ちょっと祐次、あんたデリカシーないわよ!」


呟いた祐次に向かって、早紀が怒鳴った。



「いいじゃん。ザッキーも童貞だし、この際だから二人付き合っちゃえよ」


健介が敦也を見て笑いながら言う。


「ちょっ」
「そうだよ! それがいいよ!」


焦った敦也に向かって、由梨が素早くツッコむ。



「ヤダァ由梨ったら」


美絵は顔を赤らめながら、心の中で「ナイスフォロー」と思いつつ、敦也の反応を見た。

< 11 / 716 >

この作品をシェア

pagetop