呪島~ノロイジマ~
「ちょっ、おまえらなぁー、俺はいいけど金森さんが嫌がってるだろ」


敦也が咎める。


「ないよ…」


「えっ?」


聞き取れなかった敦也が、美絵の顔を見つめた。



「嫌じゃないよ全然」


はにかんで見つめてくる美絵の目に、敦也はドキドキした。



「じゃあ決定な、おまえら付き合え」


健介が笑顔で言って、すぐに由梨が「賛成」と手をあげた。



「ちょっとー、ここにも一人処女がいますけど」


瞳が笑いながら言う。



「えっ!? でもほら、ヒトミンは遠恋になっちゃうじゃん」


「冗談よ」


焦った由梨に、瞳がニヤリと笑った。



「私、彼氏いるから」


「えっ、そうなんだ」


「うん。でもまだ処女だけどね」


「ええー何で!?」


由梨が大袈裟に驚く。



「何でって言われても……付き合ったからって、

絶対しなきゃいけないってもんでもないでしょ」


「そ……それはまぁ、そうかもしれないけど……」


由梨は健介の顔を見た。

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