呪島~ノロイジマ~
「そんなことより、早く行きましょうよ」


瞳が苦笑しながら促した。


「あっ、そうね」

由梨がキョロキョロしながら頷く。

ここは改札口の真ん前。


七人の若者が真ん中に陣取っていては、他の乗客たちの邪魔以外の何物でもない。


「こっちよ」


瞳が笑顔で先頭を歩き出した。




「それにしてもヒトミンっちってお金持ちなんだね」


早紀が聞いた。


「え? 何で? 全然そんなことないよ」



「だってさぁ、六人も泊まらせてもらえるなんて、御殿みたいな家なんでしょ?」



「あ~~~~、ごめん。そのことなんだけどね……」



「え? 何?」


「実は彼のお父さんが、会社の社長をしててさぁ」


「え!? すごいじゃん」


「こっちじゃあ結構大きい会社なんだけどね。みんなが遊びに来るって彼に言ったら、お父さんの会社の保養所を使えって……」


「保養所?」


「うん」


不思議そうな顔の早紀に、瞳は少し申し訳なさそうに頷いた。

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