呪島~ノロイジマ~
舗装された道に出た。



「へぇ……」



「どうかしたの?」


「いや、島には車がないって聞いてたのに、道が舗装されてるから」


「ああ、そう言われればそうね。あっ、でも去年南の港でバイクは見たわよ」



「あ~そうか、この道幅じゃ車の対向は難しいけど、坂道だし移動にバイクくらいは欲しいもんなぁ」


「さぁここまでくればもうすぐよ。山越えは初めてだけど、舗装路に出たら町まですぐだって、前に輝之が言ってたわ」


「そっか……よし、じゃあ下りだし少しペースあげよう」


「うん」


敦也が言って、瞳が頷いた。

< 210 / 716 >

この作品をシェア

pagetop