呪島~ノロイジマ~
「えっ、ターザンはターザンよ。ジャングルの王者ターザン。他にターザンって何かある?」


まさかそれが、愛する彼氏の断末魔の悲鳴だったなど、この時の瞳には想像も出来なかったのだ。



「知らないってば……。っていうか、何かさぁ、マジで気味悪いよね……この島」


敦也はキョロキョロと周りを見回しながら言った。



「確かに……去年も来たけど、保養所と南の港の辺りにしか行かなかったから、

やっぱ廃墟があるとちょっとね………」


「だな」


二人はまた黙って、舗装路を下り始めた。
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