呪島~ノロイジマ~
「よく来てくれたわね……」


美絵が呟くように言った。



「え?」


「よく来てくれたわねって! 私の耳元で言ったのよ!」


「言ったのよって……誰が?」


「そんなの分かるわけないでしょ!」


美絵は声を荒げる。



「帰ろう……」


美絵が泣きそうな顔で言った。


「ちょ、何言ってんのよ?」


瞳が慌てて言った。

せっかく食事の材料から、レクリエーションの材料、道具までを一式揃えたのに、

輝之の手前、来て早々に帰るわけにはいかない。


「でも……おかしいよここ」


美絵が周りを見ながら言った。


「おかしいって何が?」


健介が聞く。



「分からない……分からないけど、何か変なんだよ」


美絵は不安げな顔で答えた。

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