呪島~ノロイジマ~
「あのさぁそれじゃ分からないだろう」


「でも……」


「まぁちょっと待てよ」


少し強い口調で非難しかけた健介を、敦也が制した。



「とりあえず荷物を運ぼうよ。え~と……美絵ちゃんだっけ?

もしどうしても我慢できないなら、すぐに船で連れて帰ってあげるからさ」


輝之が優しく語りかける。


そう言われては、美絵も断わるわけにはいかなかった。


みんなが楽しみにしているのに、自分ひとりの我がままで、せっかくの旅行をぶち壊しにするわけにはいかない。


「分かりました。変なこと言ってすみませんでした」

美絵は無理に笑顔を作った。

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