呪島~ノロイジマ~
由梨が一歩。


また一歩近づいてくる。




健介は恐怖で身体が震えた。



「由梨……由梨!」


健介の呼びかけに、由梨は答えない。




あいかわらず苦しそうに歪めた顔のまま、一歩づつ近寄ってくる。



健介は意を決して、入口に向かって駆け出そうとした。








「遊ぼ」


目の前にアノ女がいた。

大きな白目に、小さな黒目が健介を見つめていた。

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