呪島~ノロイジマ~
山に向かって逃げればよかったのだ。


相手が三人なのだから、保養所に逃げれば、どのみち逃げ場はない。


保養所の向こうも港で、船がないから逃げ場はないし、

泳いで逃げるのはそれこそ、息止め我慢比べに進んで参加するようなものである。



勝手口のドアを掴んだところで、健介は振り向いた。








誰もいなかった……。




でも感じる。すぐ近くで……。

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