呪島~ノロイジマ~
「魚釣りかぁ~、俺したことないんだよなぁ」


健介が呟く。



「おいおい。これだからお坊ちゃまは」


祐次がニヤニヤした。



「ちょっ、誰がお坊ちゃまだっつーの。そう言うオマエはあんのかよ?」


「当たり前じゃん。何度かハゼ釣りに行ったことあるもん」



「ハゼって……地味だなぁーおい」


「うるせーよ」


いつもの調子で、ツッコむ健介に祐次が笑顔で返した。


「え~~~~~私、釣りより卓球がいいよ」


すかさず由梨が口をはさむ。



「オマエさぁ、卓球なんか夜になってからできるだろ」


「そっか……じゃあ魚釣り?」


「せっかくなんだから、やらせてもらおうぜ」



「そうだね」


「OK。じゃあ船に釣具があるから、すぐに用意するよ」


輝之が笑顔で言った。

< 28 / 716 >

この作品をシェア

pagetop