呪島~ノロイジマ~
「じゃあ」


敦也が美絵の背中に腕を回す。


「えっ、ちょっと、重いよ私」


照れる美絵の脚に手を掛けると、敦也はそのままお姫様だっこをした。



「よし、行くぞ」


大輔が先頭で部屋を出る。



「ごめんね。重いでしょ?」


美絵が真っ赤になって謝った。



「全然重くなんかないよ」


敦也が微笑んで、その瞬間二人は、二人の世界に入りかけたのだが、


「いいからさっさと行きましょ」


瞳が面白くなさそうに言ったので、敦也はすぐに大輔の後を追った。

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