呪島~ノロイジマ~
「すぐに山を越えよう。それしかねぇ」



「分かりました」


敦也は大輔と瞳のただならぬ様子に、すぐに了承して頷く。



「待ってよ。輝之はどうするのよ?」


瞳が焦って言った。



「アホかぁ、もう日が暮れるでぇ、捜しとる時間なんかねぇわ」



「ちょっと! さっきと話しが違うじゃない!」



「そんなもん、さっきとは状況が違おうが! だいたい他の子らぁも何でおらんのじゃ? もうすでに殺されとるんじゃねぇんか?」



「そんな……」


大輔の剣幕に、三人は最悪を想像して口ごもった。



――みんなすでに死んでいるのかもしれない……。


三人は背筋に冷たいものを感じた。

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