呪島~ノロイジマ~
二人は倒木の場所までやってきた。
そこで初めて、早紀はさっきここで道を間違えたのだと分かった。
こんなところに木が倒れてなかったら、もっと早く帰れたし、
瞳たちともすれ違わなかった。
それに……自分と似た雰囲気の、アノ幽霊にも会わずにすんだのに……。
「どうかした?」
悔しそうに唇を噛んでいる早紀に、祐次が気がついて聞いた。
「ううん。何でもない」
早紀は無理に笑顔を作った。
「ならいいけど」
「うん」
「あんまり悲しい顔すんなよな。抱きしめて慰めてやりたくなっちゃうだろ。変な意味で……」
祐次がニヤッと笑う。
「バカ! まだ早いわよ」
「へへっ、じゃあ今夜に期待しとくよ」
「もう!」
早紀は口を尖らせたが、目は笑っている。
祐次のお陰で一瞬で重苦しい空気が明るくなって、早紀は祐次に感謝した。
そこで初めて、早紀はさっきここで道を間違えたのだと分かった。
こんなところに木が倒れてなかったら、もっと早く帰れたし、
瞳たちともすれ違わなかった。
それに……自分と似た雰囲気の、アノ幽霊にも会わずにすんだのに……。
「どうかした?」
悔しそうに唇を噛んでいる早紀に、祐次が気がついて聞いた。
「ううん。何でもない」
早紀は無理に笑顔を作った。
「ならいいけど」
「うん」
「あんまり悲しい顔すんなよな。抱きしめて慰めてやりたくなっちゃうだろ。変な意味で……」
祐次がニヤッと笑う。
「バカ! まだ早いわよ」
「へへっ、じゃあ今夜に期待しとくよ」
「もう!」
早紀は口を尖らせたが、目は笑っている。
祐次のお陰で一瞬で重苦しい空気が明るくなって、早紀は祐次に感謝した。