呪島~ノロイジマ~
祐次は滑る足元に、懸命に足を踏ん張りながら、ロープを手繰り寄せて登っていく。


正直これは一人でもきつい。

もし怪我をした輝之がいても、一人ではどうすることも出来なかったであろう。




それでも……

生きていて欲しかったし、よもや死んでいるなんて夢にも思っていなかった。




――いったい何でこんなことに!?

祐次は唇をかんだ。









「遊ぼ」


すぐ後ろで声がした。


「うわぁあああ」


祐次は驚きのあまり体勢を崩して足を滑らせ、腕だけでロープに掴まった状態になった。

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