呪島~ノロイジマ~
斜面を滑り落ちた祐次は勢い余って一気に平らな場所を越える。




――落ちる。




回る景色に、完全に状況を把握出来なかったが、

祐次は咄嗟に腕を伸ばし、かろうじて落下を免れた。



ただ……


腕だけでぶら下がった状態である。



必死で登ろうとするのだが、指がすべって上手く登れない。



――もうダメなのか? 俺は死ぬのか?



このままでは体力が尽きて、落ちるのを待つだけである。



祐次は勝負に出た。


思い切り気合を入れて、一気に力を込めて身体を上げる。



そして……

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