呪島~ノロイジマ~
もう何をどうすればいいのか……?


まったく何も思いつかないし、考えることが出来なくなっていた。



早紀はしばらく呆然と座り込んでいたが、やがてゆっくり起き上がると山を登り始めた。




峠を越えて舗装路に出る。


ほとんど放心状態のままの早紀は、無意識のうちに、

保養所に帰るのではなく、人の住む家を目指して歩いていたのだ。


坂を下って最初の民家が見える。



いつしか早紀はそこを目指して小走りになっていた。

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