呪島~ノロイジマ~
――確か赤ん坊の幽霊が竜太郎の子じゃって言うとったんじゃないかのぉ?



茂行と交わした台詞が鮮明に思い出された。



目の前にあるのがセンミツの家である。


もう薄暗くなっているだけに、寄り道などする時間はないのだが……。


大輔は急に気になって仕方なくなってしまった。



(ちょっとだけ……どうせ引越しのときに、何もかんも持って行っとるけん。

何もないに決まっとる……ちょっと見るだけじゃ)


大輔は自分に言い聞かせるように心の中で呟くと、センミツの家の中へと足を進めた。

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