呪島~ノロイジマ~
「ちょっ、何何何?」


「引いてる引いてる」


小刻みに震える竿先に、慌てる由梨とは対照的に早紀は目を輝かせた。



「しっかり持って竿を起こして」


敦也がすかさず駆け寄ると、竿を持つ由梨の手の上から掴んだ。


「ほらこうやってしっかり立てる。それで竿を前に倒すタイミングでリールを巻いて」


「うん。分かった」


由梨は頷いた。

< 38 / 716 >

この作品をシェア

pagetop