呪島~ノロイジマ~
「篤夫さんが幽霊が出たって叫んでたんで、てっきり幽霊だと思ってたんですけど……」


「え? 違うん?」



「それが……」


「何なん?」


浩子は眉をしかめる。




「人間みたいなんです」



「は? どういうこと?」


「あの後、幽霊って言われてる女が、ウチの家に上がりこんできたんです」



「ええ!?」



「それで……俺、たまたま家に持って帰っとった木材で、思い切りその女の頭を殴ったら、倒れて頭から血を流してるんですよ……」


幸成の説明に、浩子はあんぐりと口を開けたまま固まってしまった。


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