呪島~ノロイジマ~
そのままの状態で二人は会話を交わし続けた。


ずっと好きだったこととか、高校時代のこと、黙ってしまうと不安が襲ってくる。


とにかく会話が切れないように話し続けた。



一時間ほどそのままで過ごしたとき、食堂の奥で音がした。



二人に緊張が走る。



「何?」


美絵が不安げに見つめる。


敦也はその目を見つめ返して頷くと、そっとソファーから立ち上がった。



美絵がその手をとっさにつかんだ。


「行かないで」


泣きそうな顔で訴える。


敦也はもう一度キッチンの奥に目を凝らした。




そのとき……



ガタガタガタ。ドサッ。


大きな音がして二人は身をすくめた。

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