呪島~ノロイジマ~
「ちょっと待った」


「何?」



「普通救急箱的なものって、みんなが集まる場所にあるよな?」



「そうね……」



人が集まる場所。つまりここである。


二人はダイニングの中を探した。


カウンターの脇の棚にそれらしい箱が置いてある。



「あっ、これじゃない?」


そう言いながら美絵が取り出したのは、間違いなく救急箱である。


「よしっ、それ貸して」


敦也は美絵から救急箱を受け取ると、その中からとりあえず消毒液とガーゼを取り出した。

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