呪島~ノロイジマ~
いったい迎えはどうなっているのか?


もう一度自宅に電話をかけるが母は出ない。


他の者も携帯電話の番号は分かるのだが、自宅の番号が分からないから母だけが頼りなのに……。


「何をやっとんじゃ!」


貴志は大声で怒鳴った。



しかしどうすることも出来ない。


父の遺体を転がしたままで、どこかのホテルに泊まるわけにもいかないし……。


「ねぇ、どうする?」


美春が泣きそうな顔で見る。



「どうって言われても……」


貴志はため息をついた。島は幽霊で大騒ぎになっているのだから、誰も自分たちのことにまで気がまわらないのだろう。


「幽霊騒ぎって……どうなっとんじゃろう?」


美春が泣きそうな声で聞く。


「ダイちゃんとシゲが、沖神に行ったきり戻らんらしいけん。もしかしたら……」



昼間の幽霊の顔が同時に二人の脳裏に浮かんだ。




「あのぉ〜」

「うわぁああああ」
「ひゃぁああああ」


突然後ろから声をかけられて、二人は飛び上がって驚いた。

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