呪島~ノロイジマ~
「何です?」


良輔が聞いた。


「誰も行きたがらんって……沖神に住んでる人は?」



「え? ああ、沖神にはもう誰も住んどらんのよ」


美春が説明する。



「えっ!? 何で?」



「そうじゃったね……。あんなぁ彰ちゃん、彰ちゃんのご両親が亡くなってから、

沖神のあちこちで幽霊が出る言うて騒ぎになってなぁ」


「え?」


「ほんで何人かが変な死に方したんよ」


「なっ……」


「じゃけぇ沖神の人はみんな島を出て行ってしもうたんよ」


「そうなん……」


「うん。そうなんよ」



(知らなかった……。私のせいで……沖神がそんなことになってたなんて……)


「大丈夫彰ちゃん? 顔色が悪いで」


「ぁ、ぁあ、うん。大丈夫」


美春に聞かれて彰子は頷く。




その手は小刻みに震えていた。

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