呪島~ノロイジマ~
「何かあったんかのぉ?」


「とりあえず電話が繋がらんけん、どねぇもならんのじゃ」



二人の会話を聞いていた美春が口を開く。


「あんたらぁここにおる彰ちゃんを、沖神港まで送って行っちゃってくれん?」




「え?」


大柄な春人が首をすくめて身体を小さくした。



「春ちゃんお願い」


「いや……でも……」



春人は横目で良輔を見る。


良輔は慌てて目を逸らした。




「あんたらねぇ、困っとる人を助けちゃらにゃ〜おえんじゃろう」


「おい美春!」


殴りかかりそうな勢いの美春に、貴志が慌てて止めに入った。

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