呪島~ノロイジマ~
「彰ちゃん待って! 私も行くけん」
美春が彰子の背中に声をかけた。
「おい、オヤジのお通夜……」
「分かっとるわ! でも放っとけんじゃろ」
「止めて!」
揉め始めた美春と貴志に向かって、彰子が慌てて怒鳴った。
「私は一人で大丈夫じゃから」
彰子は笑顔を作ってそう言うと、組合の建物を出て行こうとした。
「ちょっと待てや、彰子さん」
貴志が呼び止める。
「何でしょう?」
「ちょっとだけ時間をくれ、オヤジを家に連れて帰ったら、すぐに出発するけん」
「ちょ、私なら大丈夫ですから」
「アホかぁ! 竜太郎の妹を一人で危ないとこに行かせられるか」
「そうよ彰ちゃん。すぐじゃけぇちょっとだけ待って」
美春と貴志の申し出に、彰子は胸が熱くなった。
美春が彰子の背中に声をかけた。
「おい、オヤジのお通夜……」
「分かっとるわ! でも放っとけんじゃろ」
「止めて!」
揉め始めた美春と貴志に向かって、彰子が慌てて怒鳴った。
「私は一人で大丈夫じゃから」
彰子は笑顔を作ってそう言うと、組合の建物を出て行こうとした。
「ちょっと待てや、彰子さん」
貴志が呼び止める。
「何でしょう?」
「ちょっとだけ時間をくれ、オヤジを家に連れて帰ったら、すぐに出発するけん」
「ちょ、私なら大丈夫ですから」
「アホかぁ! 竜太郎の妹を一人で危ないとこに行かせられるか」
「そうよ彰ちゃん。すぐじゃけぇちょっとだけ待って」
美春と貴志の申し出に、彰子は胸が熱くなった。