呪島~ノロイジマ~
今日はいつもと違い、何かがおかしいのだ。



何と問われても、ハッキリとは答えられないけれど、口では表わせない不気味な空気が、島を包みこんでいるような気がする。



「行くか……」



「えっ? 行くってどこにですか?」


隣にいた光司が聞いた。



「沖神」


「えっ……マジっすか?」


「電話も無線も繋がらんのじゃけん。誰か行くしかなかろうが」


「そりゃあまぁ……」



「用意せぇ光司」


「えっ、俺っすか!?」



「オマエが一番大輔に世話になっとろうが」



「そ、それはまぁ……」


「行くぞ」


幸雄は船の鍵を持つと立ち上がった。

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