呪島~ノロイジマ~
とにかく行ってみないことには始まらない。


幸雄の操船で船は島の反対側を目指して進んでいった。



ほとんど日が落ちている。ライトをつけているが夜間の海上は決して視界がよくない。


この先の出っ張った岩場を越えて回ったところが沖神港である。



幸雄は自然と船を沖に進めていた。


やはり沖神地区の岸は気味が悪い。少しでも離れた位置走りたいのである。



まずは上陸の前に、沖から港と保養所のあたりの状況が見たい。

岩場を大きく沖に迂回すると、沖神港が見えた。






保養所の一階に明かりがついている。


「お、電気点いとるがな」

幸雄が少しホッとしながら言った。


< 435 / 716 >

この作品をシェア

pagetop