呪島~ノロイジマ~
「何じゃあれ……?」


「ユキさん……人じゃねぇか? あれ……」



光司に言われて幸雄は思わずツバを飲み込んだ。




そういうふうに思って見ると、確かに人のように見えなくもない。





「間違いねぇわ。ありゃ脚じゃ!」


光司の声は裏返っている。



「脚って、誰のならぁ?」



幸雄は光司の顔を見た。


光司は幸雄の顔を見て一瞬息を飲む。



「シゲさんじゃと思う」



「嘘じゃろ?」



幸雄の問いに光司は答えなかった。

ただ船の船外機の辺りに浮かぶ黒い塊を見つめるだけで……。









「遊ぼ」


その時突然二人の後ろから声がした。

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