呪島~ノロイジマ~
「うわっ」
「うおっ」

驚いて振り向いた二人の前に長い黒髪の女がいた。



ニヤニヤ笑ってこっちを見ている。


「だ、だ、だ、誰ならオマエ!?」
「出たぁああああああーーーー」



幸雄と光司は同時に叫んだ。



「遊ぼ」



「あ、あ、あ、あそぼってか?」



幸雄の問いに女は嬉しそうに頷く。



「な、な、な、何して遊ぶんなら?」



「う〜〜〜〜〜んとねぇ」

「アホかぁ! 幽霊なんかと遊ぶわけなかろうがぁ」


その瞬間、女が光司を睨んだ。



それはこの世のものとは思えない形相だった。



「ひぃいい〜〜〜」


光司は思わず後ろに後ずさり、そこにあった段差に足をとられた。


「うわぁあああ〜〜〜」
『ザッパーーーン』


そのまま光司は海中に沈む。


慌ててもがいて海面に浮かぶと船の縁に手をかけた。

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