呪島~ノロイジマ~
貴志の懐中電灯が照らしていたのは一軒の家の中だった。
そうここは……
彰子は思い出していた。ここはみんながセンミツと呼んでいた直(スナオ)くんの家。
わずか数秒の間に直の顔が浮かんだ。
いつも彰子と目が合うと真っ赤になってうつむく少年。
一度校舎の裏に呼び出されたことがある。
結局モジモジするばかりで、何を伝えたかったのか分からなかったけれど、
もしかしたら愛の告白をするつもりだったのかもしれない……。
あの頃の自分はお兄ちゃんに夢中で他の男には全く興味がなかったから気がつかなかったけれど、
大人になった今、冷静に考えればおそらく直くんは私のことが好きだったのだと思う。
貴志の懐中電灯は、その直の家の中を照らしている。
縁側の戸が開け放たれ、家の中が丸見えのそこに、
何か黒い物体が転がっていた。
そうここは……
彰子は思い出していた。ここはみんながセンミツと呼んでいた直(スナオ)くんの家。
わずか数秒の間に直の顔が浮かんだ。
いつも彰子と目が合うと真っ赤になってうつむく少年。
一度校舎の裏に呼び出されたことがある。
結局モジモジするばかりで、何を伝えたかったのか分からなかったけれど、
もしかしたら愛の告白をするつもりだったのかもしれない……。
あの頃の自分はお兄ちゃんに夢中で他の男には全く興味がなかったから気がつかなかったけれど、
大人になった今、冷静に考えればおそらく直くんは私のことが好きだったのだと思う。
貴志の懐中電灯は、その直の家の中を照らしている。
縁側の戸が開け放たれ、家の中が丸見えのそこに、
何か黒い物体が転がっていた。