呪島~ノロイジマ~
次の瞬間……。






貴志の身体は宙に浮いていた。


と思ったら地面に叩きつけられる。


何かにつまずいたのだ。


慌てて後ろを振り返るとそこに……






何かが転がっていた。




慌てて懐中電灯を拾い上げ、その何かを照らす。



「ひぃやぁああああああああああ」


貴志は恐怖のあまり懐中電灯を落として後ずさりを始めた。



ずりずりと地面を這いずりながら、若い女が近づいてくる。


その目は遠くを見つめ、その口から土を吐きながら……。






「う、う、う、うわぁあああ」


ゆっくりと地面を這いずりながら近づいて来る女。


貴志は必死で後ずさり、そして振り返りながら懸命に立ち上がった。







目の前に、顔の潰れた血だらけの男が……。
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